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ながら泌尿器科|岐阜市長良東
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産後はセックスレスになりやすいことをご存じですか?
2025.08.04
こんにちは。岐阜市長良東にある「ながら泌尿器科」の尾崎由美です。
出産後に、女性はパートナーとの性交渉を受け入れにくくなる傾向があります。このことで、男性は「セックスを拒まれた」と感じて悩み、女性も「パートナーを受け入れることができなくなった自分はおかしいのでは」と自分を責めて苦しむことがあります。こうした悩みについて、これまでに多くの女性からご相談を受けてきました。
このような状況は、出産によって女性の身体と心に大きな変化が起こることを、男女ともに知らないことが影響していると考えられます。
産後の女性の身体には、さまざまな変化が起こります。女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少し、母乳を出すためにプロラクチンというホルモンが増加します。これらのホルモンの変化により、膣は潤いにくくなり、性交渉時に痛みを感じやすくなります。また乳房や乳首がとても敏感になり、軽く触れられるだけでも、強い刺激となり不快感を覚えることがあります。さらに、授乳中は性欲に関係するアンドロゲンが減少するため、性欲が低下しやすくなります。妊娠前と比べて性欲がほとんどなくなってしまうことも、決してめずらしくありません。
身体の変化に加え、産後は心にも大きな負担が生じやすくなります。産後はホルモンの影響で気持ちが不安定になりやすく、育児による疲れも重なって、性交渉に気持ちが向かない女性も多くいらっしゃいます。
このような状態で性交渉を求められると、「私のことを理解してくれていない」「尊重されていない」と感じてしまい、パートナーへの不信感につながることがあります。この時期は、無理に性交渉を求めるのではなく、肩や足などのマッサージなど、身体にやさしく触れるスキンシップが望ましいとされています。
産後の変化を知っておくことが、よい夫婦関係を保つために重要です。こうした産後の変化を知らないことで、男女ともに悩みやストレスを抱え、夫婦関係がぎくしゃくしてしまい、結果としてセックスレスになるケースも少なくありません。男性は「嫌われたために受け入れてもらえなかったのではない」と理解し、女性は「自分が悪いわけではなく、ホルモンの影響によるもの」と知ることで、気持ちがずっと楽になると思います。
当院の性機能ケアでは、産後の性機能のご相談もお受けしております。ひとりで悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。