こんにちは。岐阜市長良東にある「ながら泌尿器科」の尾崎由美です。

女性によくある性機能のお悩みのひとつに、「腟へ挿入できない」というお悩みあります。性行為のときに腟への挿入が困難な状態が続くと、パートナーとの離別の原因となったり、妊娠が難しくなったりすることがあり、深刻な悩みにつながることがあります。さらに、「他の人は普通に挿入できているのに、なぜ私は挿入できないのだろう」「私はだめな人間なのかもしれない」と思い詰めてしまい、自信をなくして苦しんでいる女性も少なくありません。

このように、膣への挿入を望んでいるにも関わらず、挿入できない状態を「ワギニスムス」と言います。ワギニスムスに悩む女性は決して少なくありません。女性の性機能外来を受診される方の中で、最も多いご相談の一つです。一方で、「この症状で病院へ受診してもいいのだろうか」「体質の問題だから、病院へ受診しても解決できないのでは」などと考え、悩みを抱えながらも受診をためらっている方も多いとされています。

ワギニスムスは、治療によって改善が期待できます。挿入できない原因として、挿入に対する恐怖や不安が影響していることが多く見られます。恐怖や不安があると、骨盤底筋が過度に緊張し、結果として挿入しづらくなります。治療は、この恐怖心や不安を少しずつ取り除くことが重要です。治療の効果はすぐに現れないこともありますが、焦らず治療を継続することがカギとなります。また、パートナーの理解と協力も、治療を進めるうえで必要です。

当院の性機能ケア外来では、ワギニスムスの治療を行っています。患者様一人ひとりに寄り添って、安心して治療を受けていただけるように努めております。個室での診察をご希望の方は、土曜日午後の診察をご予約いただくことをお勧めします。どうか、お一人で抱え込まず、まずはご相談ください。