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ながら泌尿器科|岐阜市長良東
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PSAが高い
2025.06.12
岐阜市長良にある“ながら泌尿器科”の尾崎由美です。
健康診断などで「PSAが高い」と言われることは決して珍しくありません。PSAが高いときは、どのような病気が疑われるのでしょうか?
① PSAとは?
前立腺特異抗原(Prostate-Specific Antigen:PSA)は、前立腺で作られるタンパク質です。「前立腺がん」「前立腺肥大症」「前立腺炎」などの病気があるとPSAの値が上昇します。一般的に、PSA 4 ng/mL以上の場合、PSAが高いと判断されます。
② PSAが高いときに、最も注意しなければいけない病気は「前立腺がん」
男性に最も多いがんは「前立腺がん」であることをご存じでしょうか?
幸いなことに、前立腺がんの5年生存率は99%と高く(つまり、5年後に生存している人の割合は99%)、早期発見・早期治療を行えば、寿命に影響を与えないことが多いとされています。しかし、残念ながら、前立腺がんで亡くなる方もいらっしゃいます。前立腺がんは、男性のがん死亡数で第6位と報告されています(国立がん研究センターがん情報サービス)。
PSAが高くても特に症状がないときは放置してもいいのでは、と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、きちんと検査を受け、早期に発見することをお勧めします。
③ PSAが高いときの前立腺がんの発見率は?
PSAの値が高くなるほど、前立腺がんの可能性は高まります。
前立腺がんの発見率は、PSA 2-4 ng/mLでは6%、PSA 4-10 ng/mLでは25%程度、PSA 10-20 ng/mLでは40%程度です。そして、PSA 20 ng/mL以上になると、前立腺がん発見率は50%以上になります((財)前立腺研究財団編: 前立腺がん検診テキスト)。
④ PSAが高いと言われたら、どうしたらいい?
PSAが高いと言われたら、まずは泌尿器科への受診をお勧めします。泌尿器科では、次のような検査を行います。
- PSA再検査
- エコー検査
- 直腸診(前立腺の触診)
- MRI検査
これらの検査の結果、前立腺がんが疑われる場合は、前立腺生検(前立腺の組織検査)を行います。
当院では、PSAが高いときは、前立腺がん、前立腺肥大症、前立腺炎などの可能性を考慮し、慎重に精密検査を行っています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。